【福島・日帰り】12月の五色沼は歩けるのか?

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フォトジェニックな五色沼の神秘をぜひ!

 

12月中旬、平日休みを利用して福島・裏磐梯に日帰りで行ってきました。

今回の目的は、福島の景勝地として名高い「五色沼」に行くことです。沼ごとにさまざまな色の水面が光るスポットで、読み方は「ごしきぬま」。公共交通機関を利用して訪れる場合は、JR磐越西線の猪苗代駅からバスで約35分、あるいはJR磐越西線の喜多方駅からバスで約1時間5分の場所です。


東側から毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、竜沼、弁天沼、青沼、瑠璃沼、柳沼と点在していて、「五色沼」はその湖沼群の総称。猪苗代駅側の「五色沼入口」バス停と喜多方駅側の「裏磐梯高原駅」バス停を結ぶ全長3.6キロの「五色沼自然探勝路」は初心者でも歩くことができるハイキングコースになっています。

 

裏磐梯ビジターセンター

 

「五色沼入口」バス停のすぐ横にあるのは「裏磐梯ビジターセンター」。こちらの館内では五色沼の自然探勝路をはじめとして裏磐梯の自然や動植物、小磐梯山の噴火による五色沼の成り立ちなどが細かく展示、説明されています。五色沼湖沼群の水面がなぜ色鮮やかに光るのかという部分にも実験装置を使って説明していたので、以下、資料の記述部分を引用します。

五色沼自然探勝路を歩くと誰もが目にする青、赤、緑の水の色。まるで絵の具を溶かしたようです。これは水中に漂う「アロフェン」という白色の微粒子や水底に沈殿した酸化鉄などに太陽の光が散乱または反射して様々な色に見えるからです。アロフェンで散乱した場合は青や緑、酸化鉄の沈殿物で反射した場合は赤く見えます。

こうした物質ができるのは、磐梯山の火口にある銅沼から流れ出した酸性の水が、瑠璃沼、青沼、弁天沼、竜沼、深泥(みどろ)沼、毘沙門沼へと流れていく途中でアルカリ性の湧水などが混じり、水質が変化するためです。異なる水の混ざり具合で、微妙な色の変化が生まれるのです。

この装置に「色が変わる理由はアロフェンでないことが最近わかってきました!詳しくはスタッフまで」という補足がありました。ぜひ、スタッフの方々に聞いてみてください。

いろいろな媒体で五色沼を検索してみると、美しい写真の五色沼は春から秋に撮られたものばかりです。裏磐梯ビジターセンターにも五色沼の植生は春から秋という分類がされていて、冬はありませんでした。また「裏磐梯レイクリゾート」の散策コースも期間は4月~11月下旬まで。冬本番の五色沼はどんな景色なのか?そもそも歩けるのか?あまり深く考えずに旅程を決めてしまいました。

 

東京から五色沼までの所要時間

 

都内からの移動ですが、今回は道中で仮眠をとりたかったので高速バスを利用しました。JRの高速バス「夢街道会津号」です。

バスタ新宿を7時30分に出発してJR猪苗代駅に11時44分に到着するタイムスケジュール。終点はJR会津若松駅となっている4列シートの便です。ネットの早割で予約して2810円でしたが、空席が多いにもかかわらず隣にはすでに乗客が。

恐らく割引の代わりに座席を相席指定するという形でしたが、新宿の次の王子駅でも乗客がほとんど乗らず空席が多かったため、運転手さんが自由席を許可してくれました。平日の下り便ということで乗客は10人程度でした。座席横にはUSBポートがあるため充電もOK。個人的にJRバスはシートの相性が良くて特に好きです。

東京方面から新幹線を利用した場合は東北新幹線のやまびこに乗って郡山まで行き、そこからJR磐越西線で猪苗代駅に向かう形。東京駅始発の6時40分に乗った場合は猪苗代駅に9時08分、1本後だと7時44分東京発の10時24分猪苗代駅着。料金は8430円とちょうど3倍ですが、実はこちらの方がお得です。その理由とは。

 

猪苗代駅から五色沼までのバス時刻表と

喜多方駅から五色沼までのバス時刻表

 

猪苗代駅には、ほぼ定刻の11時40分に到着。

とてもいい天気で暖かかったのですが、雪が普通に積もっています。思った以上に積もっています。駅前の観光案内所で五色沼自然探勝路を歩くことができるかどうかを聞くと、長靴を裏磐梯ビジターセンターでレンタルしてくれると教えていただきました。猪苗代駅観光案内所の方はとても親切で、この雪だと探勝路を端から端まで移動するのは難しいということも教えてくれました。

五色沼とバス停の位置関係(裏磐梯レイクリゾートのホームページより)を整理すると、ビジターセンターもある東側のバス停が「五色沼入口」、西側のバス停が「裏磐梯高原駅」です。

猪苗代駅から「五色沼入口」へ向かうバスは磐梯東都バスを利用します。しかし、12月から3月の間は本数が減り、猪苗代駅10時28分発の次は14時ちょうどになってしまいます。ビジターセンターの営業時間が冬季(12月~3月)は16時まで(夏季は17時まで)ということと、帰りの電車の時間を考えると14時のバスを待つのは現実的ではありません。

磐梯東都バス・猪苗代駅~五色沼入口方面時刻表(12月1日~3月31日)

磐梯東都バス・猪苗代駅~五色沼入口、裏磐梯高原駅方面時刻表(4月1日~1131日)

夏季の運行では「裏磐梯高原駅」と「猪苗代駅」が直通する便があります。つまり、猪苗代駅発のすべてのバスが停車する「五色沼入口」を経路のスタートにもゴールにもできるということです。冬季は「裏磐梯高原駅」と「猪苗代駅」の接続がないので、猪苗代駅から向かう場合は「五色沼入口」からスタートせざるをえません。喜多方駅から向かう場合は「裏磐梯高原駅」と「五色沼入口」をどちらも利用することができます。

先ほどの新幹線が安上がりと言ったのは、冬季バスの時刻表はJR猪苗代駅の発着とリンクしていると考えられるためです。したがって猪苗代9時8分着なら9時10分のバスに(ダッシュ必須)、10時24分着なら10時28分のバスに乗ることができます。また、夜行バスなどで郡山や会津若松に早朝に到着する場合はJRで喜多方駅まで行き、喜多方8時40分発のバスに乗ることができます。

僕は猪苗代駅からタクシーを利用しましたが、30分ほど乗って料金は4930円でした。バスの猪苗代駅~五色沼入口区間は770円。喜多方駅~裏磐梯高原駅は1230円、喜多方駅~五色沼入口は1340円です。

冬季の東京からの移動モデルプランに関しては、また最後に記させていただきます。

 

雪を踏みわけ、毘沙門沼へ

 

裏磐梯ビジターセンターに着くと、スタッフの方が長靴を貸してくださいました。レンタル料金は500円。返却する際に補償金分の200円がバックされるので実質300円です。スノーシューの貸し出しも行っています。レンタルページはこちら

訪れてみてわかりましたが、冬は普通の靴やブーツではまず無理です。持参しない場合は長靴、あるいは、スノーシューをレンタルするのが前提となるので、ビジターセンターに行きと帰りで訪れる必要があります。今回は往復が時間的に不可能だったので、途中で引き返す形を選びました。

ビジターセンターを出たところの景色です。一面、雪。この手前左の溝に沿って毘沙門沼へ向かいます。

案内板には自然探勝路と裏磐梯周辺の広域図。

出発したのが12時20分。裏磐梯高原駅の五色沼方面のバスは14時05分発のため、最後まで行くとなると1時間40分で雪道を踏破しなければなりません。今回は、赤沼まで行って引き返すことにしました。およそ片道2キロ弱といったところです。

雪に足を踏み入れると…長靴をはいていますが、それ以上に深かったです。長靴の隙間から雪が入り込み、結果的には靴下がびしょ濡れになりました。

スタート地点から少し進むと、道が二つに分かれます。まっすぐ行くと毘沙門沼のほとりをぐるっと回るようにして進めますが、今回は雪が高く積もっていてそちらからは進めませんでした。右側に人が通った溝があったので、右側から毘沙門沼を目指します。

掘られて固くなった溝の上を歩いていきます。途中で右手にキャンプ場と思われるログハウスがいくつかあり、そのあたりで左に細い道を入って毘沙門沼側へ降りていきます。

探偵アニメの雪山事件に出てきそうなコテージと雪のコントラストですね。5分ほど歩くと毘沙門沼が見えてきました。

遠くからでもわかる澄んだ水面。木の枝からさらさらと舞う雪が光ります。

 

毘沙門沼のエメラルドブルー

 

出発してから25分。毘沙門沼に到着しました。

コバルトブルーというのでしょうか。それともエメラルドグリーンというのでしょうか。太陽の光を受けて銀世界の真ん中で輝く毘沙門沼。4~11月の期間は30分単位(1艘700円/30分)でレンタルボートを貸し出しているそうで、湖畔の新緑や紅葉をたっぷりと楽しむことができます。この12月は白い静謐の中でゆったりと水鳥が泳いでいました。

感嘆の言葉が思わず口を突きます。来て本当によかったと思える景色です。ここは毘沙門沼の東端ですが沼岸に沿って歩く道がなかったため、いったん戻りキャンプ場前の道を西側に進みます。

▲おそらく冬季以外は沼岸に沿って道があるはずなのですが、雪が積もっていたため断念しました。

 

道中の右手に見えたこちらもキャンプ場施設のひとつでしょうか。この季節になるとさすがに足跡すらありません。

案内板の近くに熊注意の看板がありました。裏磐梯ではツキノワグマの目撃情報が出ており、クマ鈴などでクマにこちらの存在を示してあげましょう、との掲示がビジターセンターにありました。

ざくざくと雪道をかき分けていくと左手の眼下に再び毘沙門沼が姿を現します。上から見るのも良いですね。

先ほど見た時よりも心なしかグリーンに近い印象を受けました。雲が少し出ていたからでしょうか。当然雪が積もっていたので座れませんでしたが、この毘沙門沼の柱が建っている場所にはベンチが設置されていました。

再び白一面の視界が開けます。少し勾配としては下っていく形になりますが、足元の道がスノーシューで通った跡がしっかり残っていました。足場がしっかりしていたので駆け足で移動することができました。

再び左手に毘沙門沼。今度は低い視点から眺めて歩きます。とは言え、沼を見ながら進んでいるとあっさり雪道に足をとられるのでご注意ください。

毘沙門沼の西端に来ると小さな橋を渡って沼を渡ります。毘沙門沼側はエメラルドグリーンなのですが、手前のアシ群を境に色が変わっています。

逆側はこのような色。水温によっても色がだいぶ変わってきそうですね。奥深いです。

毘沙門沼はビジターセンターのHPでも頻繁に様子が更新されています。素人の僕がここで書くよりももっとわかりやすく詳細な五色沼の情報が載っていますので、毘沙門沼情報やトレッキングコースの情報をチェックしてみてください。

裏磐梯ビジターセンター

 

黄緑?ウグイス色?不思議な不思議な「赤沼」

 

毘沙門沼の次は今回の折り返し地点に設定した赤沼です。結構途中で走ったので、写真を撮りながらの雪道歩行でも40分ほどで1.5キロ程度を進んだ形です。

赤沼も、この先のみどろ沼、竜沼も探勝路の右側に位置しています。毘沙門沼を抜けて、10分ほどで赤沼に到着しました。

もう少し沼のそばまで近づきたかったのですが、雪が深くて断念しました。

とても小さな赤沼は沼の周囲の草木に鉄の成分が付着しているため、沼岸の部分が赤錆びのように見えるそうです。画像を検索してみると、抹茶色やコバルトブルーを綺麗な赤茶色が縁取っていました。僕の訪れた12月は絵の具で緑と茶色を混ぜた上に黄色を落としたような不思議な色を放っていました。画像からどことなく周縁部の色が違うのはわかるでしょうか……?

これで透明度が高いのですから凄いですよね。結局、ここまで写真を撮りながら所要時間1時間10分。今となってはみどろ沼、竜沼くらいまでは行けたなあと後悔していますが、結構体力を奪われた上にバス出発までの残り時間が約1時間と考えると引き返すのが安全だと思って戻りました。

赤沼の先は再び左右が林の雪道だったようです。

 

再び毘沙門沼を通って戻ります。リフレクションが綺麗でした。

帰路は道がわかっていたことと、写真をあまり撮らなかったこと、またキャンプ場近くからビジターセンターへの「近道」という所をずかずかと進んでいったからか、30分ほどで着きました。ただこの「近道」は湿地帯の上を進むものだったようで、途中でズボッと太ももくらいまで雪(沼)の中にはまってしまいました。雪がない季節はどうなっているのか、暖かくなったら確認しに行きたいと思います。

14時ちょうどにビジターセンターに到着。長靴の中に雪が結構入っていて、脱ぐのに苦労しました。濡れた靴下を替えて、靴の貸し出しカウンターの側にあるストーブで暖をとらせていただきました。ビジターセンターの方々、ありがとうございました。

14時44分の猪苗代駅行きのバスで猪苗代駅へ。運賃は770円で、40分ほどで到着しました。駅そばの「市松」さんで人気メニューと書いてあったタンメンを食べて16時51分の磐越西線で郡山へ帰りました。

 

東京~五色沼までの日帰りプラン(冬季)

 

バスの本数や裏磐梯ビジターセンターの閉館時間(16時)を考慮して算出しました。夏季の場合は本数が多い上、猪苗代駅から裏磐梯高原駅へ直通で行くバスが出ているためもう少し選択肢が多いと思われます。

 

裏磐梯高原駅(柳沼側)を出発点に

 

裏磐梯高原駅を出発する場合です。長靴やスノーシューをビジターセンターで借りる必要がない場合のパターンです。

裏磐梯高原駅出発(平日)

東京7:44→(東北新幹線・仙台行)郡山9:23

郡山9:38→(磐越西線・会津若松行・JR計8430円)猪苗代10:24

猪苗代10:28→(磐梯東都バス・休暇村行・760円)裏磐梯ロイヤルホテル10:57

裏磐梯ロイヤルホテル11:05→(磐梯東都バス・喜多方駅行・250円)裏磐梯高原駅11:13

柳沼→青沼、るり沼→弁天沼→竜沼→みどろ沼→赤沼→毘沙門沼

五色沼入口14:44or16:49→(磐梯東都バス・猪苗代駅行・770円)猪苗代駅15:30or17:35

磐梯東都バスの17:35着のバスとは接続できませんが、猪苗代駅17:30発の高速バスが新宿、池袋、王子方面に出ています。郡山経由で新幹線、高速バスの帰路よりも安く抑えることのできるルートです。東京→郡山or会津若松などの夜行バスを往路に選択して喜多方駅まで向かうと(郡山6:52→喜多方8:31)喜多方駅8:40発のバスに乗ることができ、裏磐梯高原駅に9:50に着くことができます。

 

五色沼入口(毘沙門沼側)を出発点に

 

五色沼入口出発(平日)東京7:44→(東北新幹線・仙台行)郡山9:23

郡山9:38→(磐越西線・会津若松行・JR計8430円)猪苗代10:24

猪苗代10:28→(磐梯東都バス・休暇村行・770円)五色沼入口11:06

毘沙門沼→赤沼→みどろ沼→竜沼→弁天沼→青沼、るり沼→柳沼

裏磐梯高原駅14:48or15:58→(磐梯東都バス・喜多方行・1340円)喜多方16:00or17:10

 

こちらは裏磐梯高原駅から喜多方を通って帰る形になります。喜多方で名産物を食べてから夜行バスや新幹線などで帰りたい方におすすめです。1つ目同様、夜行バスで福島入りしていた場合は猪苗代駅からもう一本早いバスに乗ることも可能です。

 

ビジターセンター往復パターン

 

五色沼入口出発(平日)東京7:44→(東北新幹線・仙台行)郡山9:23

郡山9:38→(磐越西線・会津若松行・JR計8430円)猪苗代10:24

猪苗代10:28→(磐梯東都バス・休暇村行・770円)五色沼入口11:06

裏磐梯ビジターセンターでシューズレンタル

毘沙門沼→赤沼→みどろ沼→竜沼→弁天沼→青沼、るり沼→柳沼

裏磐梯高原駅14:05→(磐梯東都バス・裏磐梯ロイヤルホテル行・170円)五色沼入口14:10

裏磐梯ビジターセンターでシューズ返却

五色沼入口14:44or16:49→(磐梯東都バス・猪苗代駅行・770円)猪苗代駅15:30or17:35

 

こちらはビジターセンターでシューズを借りる場合です。というか、雪が積もっていればまずこの形になると思います。長靴を装備で持っていくような人はまず車で移動するでしょうからね。この移動の鍵は裏磐梯高原駅から五色沼入口に戻る14:05のバスです。これに乗れなければ次は17:40発になってしまうため戻れません。裏磐梯高原駅付近はホテルがあるのでタクシーが見つかればタクシーで16時までにビジターセンターに戻るのも一つの手ですね。上述の二つ同様、夜行バスで福島入りした場合(もしくは新幹線始発から乗り換えダッシュ)は猪苗代駅から一つ早いバスに乗ることができますので、探勝路の散策に余裕ができそうですね。

 

 

写真を撮りながら雪の積もる五色沼探勝路を移動した場合、2時間半~3時間は見ておいた方がいいと思います。雪道は夏季の2倍は時間がかかる上に、天候が悪いとストップをかけられることがあるかもしれません。不明点や心配な点はビジターセンターのスタッフさんに聞くようにしましょう。

厳しい道中ですが、銀世界の中の五色沼湖沼群はとても美しいです。宿泊型の訪問はもちろん、体力に自信のある方は日帰り踏破にも挑戦してみてはいかがでしょうか。

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